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伊藤みどりと国際アダルト選手権

2011年06月29日 02:24

ドイツの国際アダルトフィギュア大会から帰国して10日ほど経ちました。
やっと、ほっと一息。
そして夢のようだった日々を何度も租借しながら、
ああ素晴らしい日々を過ごしたんだな私達は、とだんだん現実の実感がわいてきています。

日経新聞のウェブとNumberには公式のレポートやみどりさんの記事を書きましたが、
今日はちょっとプライベートな感想を。
この感動を忘れないうちに書きたいと思います。

(記者とは思えないダラダラした長文です、ご注意)
今回強く感じたのは、オリンピックのメダルを狙う人以外が、スポーツをやることの意味です。
日本オリンピック委員会の広報部をお手伝いさせていただいていたこともあって、
仕事場ではいつも「オリンピックのメダル、メダル」という言葉が行きかっていました。
勝つこと、メダルを獲ること。それは現役選手にとっては大切な目標でしょう。

でも私たちのように、生涯スポーツとしてフィギュアスケートをやりながら、
国際大会まで行ったり、毎日練習する人もいる。
勝つためではなく、楽しみとして。
勝つためではなくスポーツをする私達は、
スポーツ界の人たちからするとどんな存在なのだろうかとか、
下に見られているのではないか、とか
さらには大会に出る意味があるのか、とか考えちゃうときもあったのです。

でも今回、みどりさんとドイツにいって、たくさんのモヤモヤは晴れました。
大人だって本気でスポーツしていいんです。
レベルが低くったって精一杯やれば賞賛に値するのです。
そして1回転ジャンプだって恥じることなく跳べばいいのです。

この半年、大会出場にむけて色々と考えをめぐらしてきたみどりさんの様子や、
大会10日間での言動をみて、確信できました。

実際のところ、みどりさんが3回転ジャンプを跳んでみんなを「あっ」と言わせたい、という気持ちが
私の中にはちょっぴりありました。
だって4月ごろの練習ではみどりさん、跳べていたから。
せっかく出るのだし、ミドリイトウが3回転を跳んだら世間の話題にもなるし凄いだろうと。

でも、みどりさんは、質の高いダブルアクセルとスケーティングを見せれば十分だと考えた。
なによりも大切にしたいのは、楽しんでスケートを滑ることだと。
3回転をイチかバチかで跳ぶような「挑戦」というテーマではなく、
「楽しむ」というテーマで滑りたいのだと、そういってました。
たしか、出国1週間前くらいの夜のことだったと思います。
それで私は、自分の認識が少し間違っていたことをつくづく感じたのです。

もちろん、楽しむための大会、スケートを愛する人たちの大会、ということは
もう十分に分かっていて、自分自身はもちろん楽しく滑ってるだけなのですが、
いざみどりさんが出るとなったら「成績を残させてあげたい」という気持ちが強くなってしまっていた。
足の痛みをこらえながら、みどりさんがジャンプの練習を頑張っている姿を見て、
「結果を残させてやりたい」と思ってしまっていたのです。

でも、みどりさんはそうではなかった。
練習は本気。
練習は、自分の限界に挑んで一心不乱にやるし無茶もする。
でも本番は違う。
この大会の目的は、スケートを愛している自分を思い出すこと。
そしてスケートの楽しさをみんなに伝えること。
だから本番は、ただただ笑顔で、楽しみたいのだということ。

出国1週間前に、そのことに気づいた私は、
しっかりと心にそのことを焼き付けて、みどりさんとドイツに旅立つことができたのです。
だから、現地にいってからは、
練習は厳しく。ケガをしないギリギリまで追い込む。
でも本番は、ただ幸せに滑ってもらえればいい。
そう考えて過ごしました。

だから、みどりさんは素晴らしいダブルアクセルを跳んで、
すごいスピードでリンクを舞って、
そして満面の笑みで幸せそうに滑った。
2位という順位は、むしろ嬉しいくらい。
順位のために滑ったわけではないから、努力して試合に調整してきた選手が優勝したことは、
みどりさんにとっても、私やチームメイトにとっても、嬉しいことだった。

伊藤みどりほどの選手が、
素人の大会で順位も気にせず、
ただ自分の目標であるダブルアクセルを跳び、
そしてスケートを滑る幸せを感じたいと願っている。
その姿に触れながら、
私だったら1回転ジャンプでも頑張ればいいんだし、
スケートできる幸せを噛み締めることができれば、大会に参加する意義があるのだと分かったのです。

それにみどりさんは、私の友人たちの、ちょっとしたステップやジャンプでも
ちゃんと「その人なりに」良い部分を褒めてくれたりしていて、
すごく嬉しかった。
スケートしたことない人なら「なんだそりゃ、ジャンプなの?」というような
ピョコタンジャンプなんです、私達。
でもみどりさんは、「いまの1回転はクリーンでよかったよ」とか言ってくれるんです。
そういう言葉が出ることって、本当に凄いことだなって。
このひと、ほんとにスケート好きなんだなって痛感したし、
スケートしてるアダルト選手をまったく馬鹿にせず選手として扱ってくれる。

ほんとうに、すごいことだった。

そんなわけで、長文になりましたが、私自身がスケートをすること、大会に出ることの意味を
すごくスッキリと納得することができたのです。
だから、自分の演技はほんとうに楽しく滑りました。
フリップ両足着氷したりして、ミスはポロポロあったのだけど、
そんなことより、スケートしてそれを皆んなに見てもらえる幸せをはっきりと感じていたから、
楽しかったし幸せな1分40秒でした。
いつも楽しんで滑っていましたが、本当に本当に、
技の成功とか全く気にならなくて、純粋に楽しめたのは初めてだったと思います。

練習は本気。
本番は楽しむ。

それは現役選手にも言えることなのかも知れないけど。
でも私達のような一生、低レベルで競技を続けていく選手にとって、
ひとつの答えを見つけることが出来たと思うのです。

ほんとうに、みどりさんありがとう!
直接お礼言わないで、ここに書いても仕方ないのだけど・・・

ワールドフィギュアの次号に、このあたりの「社会人がスポーツを本気でやる意味」というテーマは
書きたいと思います☆




コメント

  1. エセみどり\(^o^)/ | URL | -

    こちらこそ、感激をありがとう\(^o^)/

    感想、すばらしい経験でしたね!
    野口さんに、アダルト大会の話しを聞かなければ、私も、経験することないできない経験をすることができ、ドイツまでの道のり、演技、チームワーク、誰ひとり欠けても、ドイツでの演技は出来なかったです!
    一つの目標が達成でき、満足感いっぱいです!
    本当、お世話になり、ありがとうございました\(^o^)/

  2. yoko | URL | LxvN8XNM

    社会人がスポーツを本気でやる意味

    野口さんのnumberのアダルト選手権の記事を拝見しました。
    とてもいい記事だなと思って、検索していたらこちらにたどり着きました。
    私自身、スケートを始めて1年足らずでまだすごく下手ですが、もう少し上手になったら大会などにも出てみたいと思っています。でも、本当に下手なので(笑)そういった大会に出たり意味って(自分がスケート好きという以外に)何なんだろう、とうことは少し考えてしまいます。

    次回の内容も楽しみにしております。

  3. 名無しさん | URL | -

    Re: 伊藤みどりと国際アダルト選手権

    コメントありがとうございます。
    私もスケートを再開して、まだトウループしか出来ないのに、発表会を自ら開催してプログラムを滑ったりしていました。
    私にとって大会に出たりみんなの前で滑るのって、
    自分ももちろん楽しいですが、
    自分の仲間がどれくらい頑張っているのかを見れることも楽しみのひとつです。
    プログラムを作ると、普段の練習の目的がはっきりするので、気合が入りますよ!
    大人になってスケートすると、何となく気が引けてしまって、リンクでもあまり場所を使わないように小さくなって練習するクセがついてしまいがちですが、
    実際には自分をアピールするスポーツなので、
    練習でも顔を上げて、自分の中にこもらないで動くことが大事なんですよね。難しいですけど・・・!
    パピオカップはマスターズよりも雰囲気が柔らかいので、初出場するにはオススメですよ。

  4. | |

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